変身!!
よくヒーロー戦隊ものに使われる言葉です。
「変身」ときくとなんだか、強くなったり、かっこよくなったり、そういうポジティブな良いイメージを抱く方が多数なのではないでしょうか。
しかし、今回私が読んだ「変身」という本はポジティブとはかけ離れています。
ネガティブという言葉では言い表せないような「変身」です。
さて、そろそろこれを読むことへの関心が高まってきたのではないでしょうか。
ネガティブな変身とはどのようなものか、気になって夜も眠れないことでしょう。
前書きはこの辺にしてそろそろ本題に入って行こうと思います。
内容【あらすじ】
布地の販売員をしている青年グレゴールは、ある朝自室のベッドで目覚めると、自分が巨大な毒虫になってしまっていることに気が付く・・・
そして紆余曲折あり、家族への愛情を思い返しながらそのまま息絶える。
長くない小説なのでぜひ読んでみてね。
本を読んだ感想
この本を読んだ方は、きっと私の言った意味が理解できたと思います。
ポジティブとはかけ離れたこの物語の感想を書いているとネガティブ志向になってしまいそうです。
変身したと思ったら毒虫。
治るのかと思ったら死ぬ。
ぞっとしますね。
この物語では人間の真の姿が描かれているようだと思いませんか?
普段人が想像もしないことが起こったときに平常心で対処することは、本当に難しいことです。
それこそ、この物語の母のような反応になってしまうかもしれません。
そのような時、あらゆる可能性を捨てて、自分が助かる方法を模索してしまうのではないでしょうか。
やはり、人間には裏表があり一番自分の命が大切なのだと感じました。
考察
主人公が変身したのは「毒虫」と訳されていますが、原文のUngezieferというのは有害生物という意味だそうです。
これは鳥や小動物にも使われる言葉で、本文からまるい背中を持った生き物なのではないかと推測できます。
変身の初版表紙絵を描く人に作者は「昆虫そのものを描いてはいけない」「遠くからでも姿を見せてはいけない」と注文したそうです。
そして、この物語が書かれた約90年後に発売された「変身」の著者モデルの万年筆には、ゴキブリのような模様が描かれています。
そのブランドはゴキブリのような物に変身したのではないか。と考えたようです。
作者が虫の絵を描いてはいけない。というのには何か理由があるのかもしれないですね。
例えば原文は有害生物ですから、働けなくなった(例えば手足がなくなったり、何もできない未知の病にかかったり)というものかもしれません。
そうすると、家族は主人公のことを金を稼いでくる道具くらいにしか思っていなかったり、働けなくなったら主人公は有害でいらないと思っていたたりしていたということです。
すると、実は本当の子供ではないのかなどと想像することができます。
筆者はこういう風に読者に考えてほしかったのかもしれないですね。
本当に虫に変身したのか、はてまた変わり果てた姿になって見捨てられたのか、作者しかわかりませんが(もしかすると、作者も分からないかもしれないですね)当時作者は主人公と同じく出張旅行が多かったそうなので、実際の自分の苦労や、辛さを表している部分もあるのかもしれません。
最後に
この本は、夏休みがあけて最初の休みの日に、母と2人で読みました(図書館で同じ本を借りてきた※出版社は異なる)。
母の感想文はコチラです。

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