海外ニュース(日本語版)の誤訳については、度々報道されています。
中には悪意ある誤訳もあり、マスゴミのひどさにウンザリすることも多いです。
ネタを引き出そうと、わざと怒るようなことを質問したりとやり方が汚いですよね。
スポーツニュースも例外ではありません。
大坂なおみさんの会見時、日本の記者勢がよく口にする
「日本語でお願いします」
に、私は心底うんざりしてるのだけど、なおみさんの「英語で言います」というキッパリとした姿勢に救われています。 pic.twitter.com/vlaN2XCFvC— サチエ (@bettybeat) 2019年1月27日
大坂なおみ選手のちょっとたどたどしい日本語が視聴者に受けるから(それを喜ぶ視聴者もどうかと思いますが)、日本語で答えて欲しいと言っているようにしか思えません。
2019年の誤訳「日清のCM」
祝大阪なおみ、全豪オープン優勝。日清のテレビ広告で彼女の肌が実際よりも白く描かれていたという騒ぎを吹き飛ばすよう。大阪自身はIt”s obvious, I am tan(明らかに私は褐色だ)とコメントしたが、日本の一部マスコミはそれを「私は日焼けして色黒だ」と訳したとか。こういう訳し方は混乱を深める。 pic.twitter.com/2lBw9OhBWh
— Mitsuyoshi Numano (@MitsuNumano) 2019年1月26日
日清の広告で、大坂なおみ選手の肌が実際よりも白く描かれていたことが話題となり、日清側は謝罪し、広告を削除しました。
しかし、それだけでは終わりません。
このときに大坂なおみ選手がインタビューされた内容を誤訳し、Yahoo!ニュース、朝日新聞などが掲載してしまったのです。
Yahoo!ニュースにいたっては、タイトルに揚げてしまっていました!
(今はそのニュース記事は削除されました)
【大坂 CM批判に「なぜ騒ぐ?」】https://t.co/FyvD8uTcnH
日清食品がカップヌードルのアニメ広告動画で、大坂の肌を白く描き批判が出た問題に関し、大坂は「正直に言うとあまり気にしていない」と述べた。「なぜ騒いでいるのか分からない」とも。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2019年1月24日
※その後、Yahoo!ニュース・朝日新聞とも正式に訂正がなされました
【参考記事】Yahoo!ニュース
I get why people would be upset about it.
I get why people would be upset about it.
正:このことで悲しむ人がいるのがわかる
誤:なぜ多くの人が騒いでいるのか分からない
まったく反対の意味になってしまっています!
今回は人気の大坂なおみ選手についての記事でしたから、誤訳であることがすぐにわかりましたが、誤訳のまま訂正されることもなく伝わっていくニュースもあるのかもしれませんね。
インタビュー内容について【動画】
I’ve talked to them and they’ve apologized.
彼らと話をして、彼らは謝罪してくれました。
And for me… like, it’s obvious. I’m tan. Its pretty obvious.
私としては…明らかに私は褐色。それは疑う余地はありません。
So I don’t think they did it on purpose to be like whitewashing or anything.
だから彼らもわざと、ホワイトウォッシングかそうしたものをやったわけではないと思います。
But I definitely think that the next time that they try to portray me or something, I feel like they should talk to me about it.
でも次に私のことを描くようなことがある時は、私に相談するべきだと思います。
There’s a lot of Japanese reporters here, so if you want to ask them about, you know, the drawing thing… But, I think for me, I get why people would be upset about it.
ここにたくさんの日本人記者がいるので、もしその絵のことについて知りたいなら彼らにたずねたほうがいいんじゃないでしょうか…ただ、私としては、このことで悲しむ人がいることはわかります。
2018年の誤訳「I’m sorry」
2018年の全米オープン(USオープン)女子シングルスの決勝戦が大荒れでした。
セリーナ・ウィリアムズと大坂なおみ選手との戦いだったのですが、セリーナ選手が、
- コーチングをした
- ラケットを壊した
- 審判に暴言を吐いた
などの理由から数々のペナルティを受け、結果的に大坂なおみ選手が優勝しました。
確かに当時はセリーナ選手の方が格上でしたが、この試合での大坂なおみ選手のプレイは素晴らしかったという声もあります。
そして、授賞式に大坂なおみ選手が言った言葉「I’m sorry it had to end like this.」が誤訳ではないかと話題になりました。
BBCニュースJAPANをはじめ、多くのメディアでは彼女のこの言葉を、「こんな終わり方になってしまって、ごめんなさい」と訳していました。
Sorryの意味
「sorry」を日本語にそのまま訳すのは難しいです。
もちろん「I’m so sorry.」には「ごめんなさい」の意味もありますが、それだけではありません。
例えば、訃報を聞いたときに「I’m so sorry.」ということもあります。
これは「ごめんなさい」という意味ではなく、「残念なことです」という意味で使います。
つまり、「I’m so sorry.」は謝罪のときだけでなく、悲しみなど、同情するときにもよく使うのです。
そのため、授賞式に大坂なおみ選手が言った言葉「I’m sorry it had to end like this.」は、「こんな終わり方になってしまって、残念です。」というのが正しい訳だと思います。
日本人は謝罪の場面以外でも何かと「ごめんなさい」をよく使うので、まったくの誤訳とも言い切れないのかもしれませんが…。
【参考】BBC(SPORT)
最後に
例えニュースでも間違うことはあると思います(間違ってほしくないですが)。
わざとでないのであれば、間違いがわかったときにすぐに訂正するなど、読者に誤解のないようしっかり対処してほしいですね。
そして、私とRYU(息子)のこれらの記事の訳についても、お気づきの点がありましたら遠慮なくご指摘ください。
私もRYUも勉強になりますので、大変嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
※この記事は小学生RYUではなく母が書きました